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住宅購入とお金の本

特集41 予算4,000万円。新築マンションVS新築一戸建て

 季節は春。お住まい探しには恰好の季節の到来です。消費税増税前にマイホームを!とお考えの方も多いのではないのでしょうか。今回は、4,000万円の予算で新築マンションと新築一戸建て住宅がどのようなものが買えるのか、また、ランニングコストや資産形成といった〝お金〟の面にスポットを当てた比較をFP住宅相談ネットワーク代表・黒須秀司講師(1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP)の誌上セミナーとしてお伝えいたします。 マンションにするか一戸建てにするか、お悩みの方は必見です。

はじめに

まず、あらかじめ申し上げておきたいことなのですが、マンションと一戸建て住宅、どちらが絶対的に優れているということではありません。どちらもそれぞれ利点がありますので、最終的には選ぶ方の〝価値観〟だと思います。そのことを踏まえてお読みいただければ幸いです。 また、双方を比較するエリアとして、FP住宅相談ネットワークの本部がある横浜市戸塚区といたします。比較に関しては、極力一般的に起こり得る事象として取り上げて参りますので、戸塚区以外の横浜市や川崎市、東京西部地区でお探しの方にも参考になろうかと思います。

価格4,000万円の物件

それでは、今(2019年2月4日現在)市場で販売されている概ね4,000万円の新築マンションと一戸建て住宅を比較すると以下の表の通りとなります。尚、比較対象はあくまで戸塚駅までの距離と価格で抽出しましたので、それ以外の個別の条件はご容赦いただきたいと思います。 ●戸塚駅アクセス・販売価格≒4,000万円の比較表 変動金利型住宅ローンの店頭金利-金利優遇幅=その方の貸し出し金利 ※1.金額は千円以下を切り捨てています。また、比較条件を整えるため、販売価格にはあえて一括払いとなる修繕積立基金・管理準備金を含めた金額で表記をしています。 ※2.金額は千円以下を切り捨てています。比較条件を整えるため、販売価格にはあえて仲介手数料・水道加入金を含めた金額で表記をしています。 戸塚駅にアクセスする物件ですと、新築マンションも新築一戸建て住宅も駅までの距離はさほど変わらない印象です。  しかしながら、マンションの場合、管理費・修繕積立金・駐車場代といった毎月のランニングコスト負担が大きくなります。表に記載のマンションの場合、管理費・修繕積立金に駐車場1台・駐輪場1台の負担を含めた毎月のコストは31,125円となります。もちろん、一戸建て住宅も修繕費用が0円という訳ではありませんので、10年に1回外壁の塗り替えが必要となると仮定し、そのコストが約75万円とすると、修繕積立金として毎月6,250円が必要という計算となります。すると、結果としてはマンションの方が31,125円-6,250円=24,875円分毎月のコスト負担が大きくなる計算になります。毎月のランニングコストは、住宅ローンと違い不動産を所有している限り終わることなく支払いが続くものですので、実際にはローンの返済よりも家計に占める負担は重いものになりますが、仮に24,875円/月を住宅ローンの返済額に置き換えた場合、いくらの借り入れに相当するのか計算すると以下の通りとなります。 元金960万円→24,920円/月(≒24,875円) ※変動金利型住宅ローン・借入期間35年・借入金利0.5%(金利優遇-1.975%)の場合 このように24,875円の毎月の負担は、960万円の借り入れに対する返済額と概ね同額となります。 少し乱暴な言い方をすれば、前述の前提条件で購入すると仮定した場合、4,040万円のマンション購入は、960万円程価格が高い5,000万円前後の一戸建て住宅を購入した場合のそれとさほど変わらないことになります。(新築一戸建て:5,000万円≒新築マンション:4,040万円) もし、新築一戸建てで5,000万円の予算ともなれば、以下の表に記載の新築2階建て住宅あたりがターゲットに入ってくることになるのです。 2016年・35年固定金利型住宅ローン金利の推移 ※3.金額は千円以下を切り捨てています。比較条件を整えるため、販売価格にはあえて仲介手数料を含めた金額で表記をしています。 ※4.借入金利0.625%・返済期間35年・金利変動無しの場合 ※5.年利医3%の場合の月払い利息。リバースモゲージの金利は、多くの場合変動金利となっています。

資産としての不動産

マイホームの購入をお考えの方の多くは、ご家族が住むための〝物〟としてお考えのことでしょう。もちろん、その通りです。しかし、不動産は耐久消費財とは異なり、資産を形成しているということを忘れてはいけません。例えば30代の方など、老後を迎えた場合の年金に不安を持たれている方も多いのではないのでしょうか。 そこで、老後資金の手当てとして、銀行商品のひとつである〝リバース・モーゲージ〟をご利用いただくことも選択肢のひとつだと思います。簡潔にご説明させていただきますが、リバース・モーゲージとは、自宅を担保に老後資金を銀行から借り入れるものです。元金の返済はなく、毎月利息のみを支払います。元金の返済は?というと、ご夫妻がお亡くなりになった後、自宅を売却して返済することになります。その間は、ご夫妻がお亡くなりになるまで自宅に住まい続けることができます。リバース・モーゲージによる資金調達の使途は、老人ホームの入居費用に充てることも、ご夫妻で世界一周クルーズ費用に充てることも自由です。 また、次のような利用方法もあります。例えば36歳で4,000万円の住宅ローンを組み、毎月106,058円の返済をしてこられた方が繰上返済を一度もせずに65歳を迎えたとすると、住宅ローンの借入残高はおよそ750万円(*4)となります。定年を迎えた老後の71歳まで11万円弱の返済を続けることは少し困難かも知れません。そこで、リバース・モーゲージを利用して750万円を調達し、住宅ローンを全額繰上返済します。すると、元利金で毎月106,058円の返済が利息のみの支払いに変わり、毎月18,750円(*5)になります。これであれば、仮に年金からでも捻出できるのではないのでしょうか。 このように老後のための資産形成としてマイホーム購入を考える時代に入ったと私は考えています。このリバース・モーゲージは、老後の利用する時点で銀行が査定する不動産の評価でリバース・モーゲージそのものの利用の可否や利用可能額が決まります。新築で購入したマンション、今は最新の設備・デザインですが、30年経過すれば築30年のマンションです。今の法律ですと建て替えも容易ではないでしょう。一方、一戸建て住宅も30年経過すれば建物の価値は0円です。しかし、地面は減価償却しませんので銀行は〝土地〟という資産がしっかり残ると考えているのです。このようにリバース・モーゲージを利用する際に、そもそもマンションは不可としたり、利用できても少額になってしまうのはこのためです。

あとがき

今回の比較は、〝お金〟にスポットを当てた誌上セミナーです。お金以外で考えればマンションならではの良いところもあります。例えば、戸塚駅駅徒歩5分で専有面積73.60㎡~80.08㎡の新築マンションが4,998万円~7,498万円と価格はかなり上がってしまいますが、ここまで駅至近の条件だと一戸建て住宅ではまず実現できることは少ないでしょう。また、コンシェルジュでのサービスやマンションならではの共用施設などもメリットのひとつです。マイホームの購入は、最終的には購入される方の価値観だと思っていますが、お金を扱うファイナンシャルプランナーの私としては、返済を終えた後も続く重い管理費・修繕積立金等のランニング・コストのことや老後のことを考えた資産形成の面で一戸建て住宅に分があると思っています。 *4.借入金利0.625%・返済期間35年・金利変動無しの場合 *5.年利3%の場合の月払い利息。リバース・モーゲージの金利は、多くの場合変動金利となっています。